舎利子/
光井 新
誰でも良かった、しかし誰であっても駄目だった。特別なんて無い、ただの世界だ。
むしゃくしゃしたからといって無差別に人を殺す事は許されないし、退屈だからといって無差別に人を愛する事もまた許されない。自分さえも特別ではない、神ですら特別ではないのだから。
人生とは相対性理論で、もしもそこに信じるものがあるとすれば、それは量子論だ。
特別だけが確証に為り得る。恋人よ、君の名を呼ぶ。
戻る
編
削
Point
(4)