また今日も壊れた営業車と/番田
赤い色をした子供が出かけた
その場所に ごく僅かな夕日が 近くの家並みの垣根で
曇りの日の彼方に 綺麗だった
落ちて 出ていた
実にゆっくりと 手にボールを 持ち帰る
手土産を買って 故郷の屋台で
じっと 寂れた 黒い奥底を
虫の心の輝きの私は 取り留めもなく 歩いた
ああ そこらじゅうに 見るのだろうと
今日もぼんやりと 壁の牛蛙たちからの合唱は
つられて 吹いている
風の微かな 遠い遙か彼方へと思わされる
廃れた営業車の
今日という一日の稼ぎとして綺麗に停まっている
ワイパーとエンジンの故障した 営業車の鍵を
何時までだろうと 今日一日として 回した
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