碧い七里ヶ浜/Akari Chika
に
ドアの開け方がわからなくて
それならば僕は
いっそのこと 時計の振り子になって
君の頭上で 時を知らせ続けよう
君の時が止まらないように
もう後戻りしないように
少しずつで良いから
前に進めるように
遮断機が下りて
江ノ電が ゆっくり滑り込む
静寂を破る笑い声に
深く俯いて
居場所はますます 狭くなる
雨音に混ざるのは
君の押し殺した嗚咽
解放されない苦しみが
喉を突き刺し 暴れている
僕の体へ崩れ落ちた君は
白い 貝がらみたいな耳を
この胸に当てて
僕の鼓動だけを聴いている
それならば僕は
いっそのこと メトロノームになって
君の耳元で リズムをとり続けよう
君のペースが狂わないように
周りの音に惑わされないように
ゆっくりで良いから
次のリズムを 刻めるように
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