野鳥/天野茂典
 
んでいる
  畑の上を飛んでいる
  電線を幾らかしならせながら
  翼をやすめることも忘れない
  陸から空へ進化したちいさなYS12型機
  女の髪から零れ落ちた浮力によって
  蔦の絡まる樹木に憩う
  そのしなやかな眼よ
  そのしなやかな筋力よ
  餌を啄ばむ快活さよ
  金魚のように水脈を泳ぐのではない
  翼を羽ばたいて堕ちるまで飛び続けるのだ
 
  猟師よけっしてきみの猟銃で
  撃ってはならないこの混沌の出自を

  鳥は宇宙の使いなのだから・・・



           2004・10・18
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