生る/Oz
 
茶色いブーツを履いた

ペータは
いつもより
山の中が静かな事に気付いた
皆きっと感じ取っているんだ
僕らが狩人であることを

普段
ペータは
森の中に入ると
少し開けた場所に行き
横笛を吹く
笛の音色は小鳥達や

鹿に
スカンク
あるいは
熊を呼んだ
それは危険な行為だった
あるいは
危険では無い行為だった
ペーターにとって
それはどちらでもなかった
大事なのは
それは
しなくてはならない
重要な事である
ということだった

そして、

シータの猟銃が
行使された
撃たれたのは
小鹿だった

シータは前足を
ペータは後ろ足を持って
家路に着いた
二人は
涙を飲み込み
黙り込み
サッサと
足を運んだ

二人を様々な視線が包んだ
葉の擦れる音の中に
ドコかからざわめきが
漏れていた

二人は
スープを作り
食べた
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