わたし (ご利用は計画的に)/乾 加津也
ネ)
おまえにもしくまれていた
ストレリチアの花から解脱するいくつもの仮面の目の洞穴 奥の
とびいる蛾が焼きつくされたい
あのうつくしい火炎
声帯の
茂みに生えでた二十一本目の鉤爪 断崖に
ケラケラと淫靡で鮮烈な一輪挿しの「薔薇」
は痺れ
は棘を噛みきる口腔に接続するデバイスとして
はなまえで鎖つながれるからもうわたしを
(オモイ ダセナイ 思想)
ここでは あこがれはそだたないの
日没にまた磔刑が執行される 経血の滝壺の
あちらがわに浮かんでみたくないか
あめんぼの渦をゆっくり描きながら
この昇降を愛して眠るみどりごを虐げる
慈善家ども
嘔吐臭にまみれながら巷の洞穴をパンパンに孕ませてやる
「おねがい 水のようにスポイル!」
たとえわたしといえども
わたしをいうものをわたしは無差別に容赦しない
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