晩夏/salco
 
生い茂った雑草と荒れ垣の傍らを通った時
暑熱に倦んでくすんだ葉の重なりが
茶の葉のような甘い匂いを立てていた
私の鼻腔は喜んで、私の足はなるべくゆっくり歩いた
ああ、晩夏の匂いだ
過ぎ去りつつある官能の匂い
繁茂が枯死に向かいつつある時の、
狡猾な思惑が発する匂い
重い倦怠と甘美な麻痺で誘惑している
退廃は麻薬だ
阿片
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