指先の向こうには/AB(なかほど)
 

なんて思えてくる


忘れていたのは

とにかく
たったひとりで歩くとこなんかじゃない

ってこと


うつむいていても
足下に花が散っている



  八

てえのばすん
どんなんかおしてるか
じぶんではみえへんけど
せいいっぱいのかおして
あんたのほうへ
てえのばすん
こっちむいてくれへんでも
ええ
きっとないてまうし
ほんのいっぽのはばのみぞあって
こえられへん
のはあんたかうちかもわからへんのやけど
てえのばすん
もう
あんたのかおかてみれへんのやけど
うちのかおかてみえへんのやろ
そんでも
ときどき
ひとさしゆ
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