あしたのタケジョー/花形新次
いる人間がどれだけいるというんだ。みんな不完全燃焼、ブスブス燻っている連中ばかりだ。俺は、そうなりたくはない。命を燃焼しつくして、真っ白な灰になりたいんだ。」そう言うと、ノリちゃんのことを見つめました。
「茗荷谷君の言いたいことは、何となく分かる気がする。でも・・・・私はついて行けそうもない。」
そういうと、ノリちゃんは涙を人差し指で拭い、ドシドシと地響きをたてながら、鎌倉駅方面へと走り去ってしまいました。
博士は取り残されながらこう思いました。
「あの娘、あき竹城に似てるな。」
これが、茗荷谷博士失恋事件の真相です。
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