あしたのタケジョー/花形新次
 
いえ、私も今来たところ。」
博士は、ノリちゃんの様子がいつもと違うことに気付きました。
何故ならノリちゃんの表情が少し思いつめたような感じだったからです。
「何かあったの?」博士は心配になって訊ねました。
「ううん、なにもないわ。何故そんなこと聞くの?」ノリちゃんは言いました。
「だって、つらそうな感じだから。どこか具合でも悪いのかな?肉まんの食べ過ぎかな?」医者らしく博士はそう言いました。
「肉まんの所為にしないで!肉まんに罪はないわ!このインチキ医者!」ノリちゃんはそう反論すると黙りこんでしまいました。
博士もノリちゃんのあまりの剣幕に言葉を失ってしまいました。沈黙が二人を包みま
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