生身のものにはノイズが混じるものさ/ホロウ・シカエルボク
 
おまえにだって
もしかしたら判ることだろうさ
こいつは
歳のせいなんてもんじゃなくて
「鳴る」ってことの
話なんだ
空気が振動して
身体がそれを受け止めるって
話なんだ
おれは
間近に迫りつつある
朗読会のことを
考える
おれは振動したい
そして
それを
受け止めてもらいたい
そんなことをして
なんになるのか、とか
そもそも客は
やってくるのか、とか
そんなことは
どうでもかまわないことで
いや
そりゃあ
いいにこしたこたぁないけどさ
おれの振動は
おれにしか起こせない
そのことを

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