ブラックボックス/
望月 ゆき
落とされたときから
黒かった
のだろうか
そうではないのかもしれない
ひかりを知ってしまったぼくは
明るい場所を欲したりも
した
目をひらいてうごかすと
四角く
明かりがもれている
世界の外側であろうそれを求めて
その扉に
手をかけた
つぎの瞬間
手首をしめつけられる感覚で
目を覚ます
と
まるくなってねむる
ぼくを
知らない女
の黒い髪が
ぐるぐると巻いていた
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