シラナイ世界/朧月
どいてください
とも言わずに抜いてゆく
人の背中を見送る
かする肩先
シラナイヒトの顔
感じる体温
見上げる空は
決してまるくない
四角くもない
なぜ
部屋からみた景色はどこだろう
本は素晴らしいとうたうけど
どこにも見当らない
世界はどこからはじまるのだろう
つまずいた私を
低いところから見つめる視線
窮屈そうに咲く 花がある
世界なんて言葉を求めて
歩き出すけど
交差点が入口のよで 出口のよで
吐き出される黒い空気
私の影が
だれかの癒しになれと祈りながら
右へ左へ揺れながら進む
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