三軒目の鴉/あおば
 
ばかりの濃いブルー
羽根の優雅な波形が青白い炎のように煌めいて
飛び立つ時の気迫を偲ばせる
一羽は窓際に
二羽は天井に羽根を拡げさせ
三羽は庭で歩かせる
ポンという声で一斉に飛び立つさまをご覧なさい
それ以上の望みは無いと皆さまは声もなく丸く口を開けるばかりです
内部には最新型の移動センサーも忍ばせていて
定刻を過ぎお客様方がお帰りになると
庭園を横切って
ポプラの木の傍らの三軒目の控えの小屋に入り
腹を空かした椋鳥たちの面倒を見ているはずです






「poenique」の「即興ゴルコンダ」投稿作。
タイトルは、FUJISUZUKOさん。


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