弱/薬堂氷太
朽ちたこの身体に 縫い付けているだけの
手足で今日も 街を這うよ
ギリギリのところまで行って 何も無かったら
それはそれで いいのだけれど
ただ体だけが疲れていて
唯一、身体と繋がっている頭で 考えたなら
戻るには 重荷になるから
手足を 置いて行きました
ところが これじゃ這うことすらできず
ただ目線の先 暮れなずむ夕日と
睨み合っているだけで
眼をそらしたくても そらせない
それは現実から逃げるなとか言う
誰かの鬱陶しい説教のようで
どうしようもないから 僕は涙を流しました
それを 知らない子が見ていて
哀れに思ったの
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