ジュリエットには甘いもの 後編/(罧原堤)
 
も空気が薄いようだった。頭がガンガンと鳴り響いた。聴いたことのないうるさいだけの音楽のように。
(これから僕はどうすればいいのだろうか…… このままじゃ生きていけない。でも、元の町に戻ったって、どうしていいのかわからないことには変わりはないだろう)
 鳥の姿になってしまった自分を受け入れてもらえるとは思えなかった。とぼとぼと、自然公園の方へ翼を広げ羽ばたくそぶりをしながら渡辺は歩いていった。だが、だが、だが、だが、彼は本当に自由になれたんじゃないだろうか。大空を無心に飛びかうことができる鳥なんだ、彼は。やさしい風と戯れ…… 美しい声でさえずる……
「ヴェー」試しにさえずってみた声は濁音だった
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