ジュリエットには甘いもの 後編/(罧原堤)
してほしいという後悔の念、そんな複雑な感情が一時にどっと押し寄せてきて、無我夢中で彼を追いました。
彼は振り向きました。追われているのがわかると猿のような奇声を上げながら逃げていきます。
「返してくれ! それがないと続きが読めないんだ! 読み終わったら貸してあげますから!」農夫は走りながら叫んでいました。4?ぐらい走ると車で追ったほうが良かったなと気づきましたがもう戻るには距離がありすぎます。しかし、この先どこまで追えばいいのかわからないので、いったん戻ったほうがやはり早いのか、そんなことを思い始めていると、1?ほど先に強烈な光が見えてきました。出口か、まずそう頭に思いつきました。しかし、出
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