ジュリエットには甘いもの 後編/(罧原堤)
ても俺の事を好きになってくれるかわかんねえじゃねえか、だけど、だけど、もし愛し合えるようになったら、なれたら…… 昔の俺は純情だった。毎日あの娘の事を思い頭を抱えていた。待ってるだけの出会えそうもない運命を呪った。運命を。神を。重くるしかった。淋しい日。淋しい日。淋しい日。 ……でも俺は優雅に飛びつづけなけりゃ。5羽の鳥がついてきてるみたいに俺の姿を見かけたあの娘がついてきてくれるかも知れないから。そんなことなさそうだから、だからもしそうなったら、それは何て素晴らしいことだろう。素敵じゃないか! 何も恐れることはない。俺は死ぬまで、その時まで、やり抜かなけりゃならない。俺の事を。それだけだ。探すん
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