「 光と影 」/椎名
水の中で泳ぐ魚
光を受けて煌く水面
いきいきと
ゆうゆうと
なんの疑いもなく
生きている
白日の下
照らし出されても
臆することなく
堂々と
純粋なもの
それは自然
美しいもの
それは自然
人もまた
自然の中で生きているはずなのに
なぜ
神は人に心を与えたのだろう
純粋なまま
生きていられたら
どんなにか素晴らしい世界であったろうに
でも
ふと思う
心が創る混沌があってこその
自然の美しさではないかと
迷いがあるから
自然が純粋に見えるのではないか
光と影
影がなければ
光の素晴らしさがわからないように
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