チューズディ・サンダー/捨て彦
 

ともあれ危機は全力で回避された。
デーモンに追い詰められもう駄目だ、ついにおれもこのまま無残に死んでしまうのか、もう一度だけつるとんたんのうどんが食べたかったな、ヴェルチ飲みたかったな、などと諦めかけたそのとき、幸運にも時計のアラームがピピピと零時を指したのだ。そう、火曜日が到来したのだ。
おれは常日頃から練習をしている。それは膨大な体力を注ぎこむ精神の修行だ。おれはいつも待っている。その瞬間を。そしてついにそのときが来たならば、おれはかならず、どんな状況であろうとその能力を発揮するのだ。例えそれが女の子とチョメチョメしているときだろうと、例え車で走っているときだろうと。例え終電がなくなっ
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