男の子と、夏/アオイリョーキ
金網、
地軸と同じ傾きで立つ僕ら
毎日、相談するような、探るような、臆病な、笑い声
いとも簡単に共倒れる覚悟だけが
信頼、のような
美空
君の腕が、僕を抱きしめるように柔らかく覆い、
目を細めなければいけないくらいの
視線、
輝きを増す、
君は、恋をしていく
それは幻の熱
明るい夜が、透き通った空気を錯覚させて
鋭いふりをした光の降る、
鈍い重さを信じない君の、飛ぶような仕草
月の周りだけ、グレイ
信じよう、僕らの、
暮れない夕暮れ
逃げる空を追いかける、
まだ生きている、
傾きかけた、空を通り越していく君の両腕
聞き慣れたメロディは、
口づさんでも誰も、聞き取れないけれど
一瞬だけで通り過ぎていく、
覚えていたものとは違う、
何度目かの夕立
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