釣果/天野茂典
 
 のようでもあった
    扉をあけると
    鳥の羽がいちめんに飛び散るのだった
    塵と光のなかで
    ジョン・アシュベリの短編小説で
    読んだことがある
    (その埃りと藁の匂い
    あびながらぼくはランボーのように
    アラビア海を航行していた
  
    
    なにか大きな損失でも犯しただろうか
    いまぼくは船酔いから醒めたばかりだ

    木々が黒くなってきた

    今宵も投網をかけたようなきれいな夕やけがみえるだろう
 
 
    ぼくの釣った魚は網で焼くのだ▽▽▽▽▽▽▽▽



             2004・10・17
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