おまえの耳にいつか聞こえるはずだ/カンチェルスキス
 
クソを飲める水に変える
 散った桜の下で何もできやしない
 水たまりに散らばって黒ずんだ花びらが
 街を右往左往してる人間たちに見える
 いくら生きても薄っぺらなままだ
 覚悟はできたか
 小高い丘の公園
 錆びて動かないシーソーが30度で傾いたまま
 鎖が一本外れたブランコにのろうとして
 ちょうどいいから首に巻きつけて
 外れた鎖で首を吊った
 もう二度と体重計にのれないのはいいことだ
 何をしゃべってもなくした後頭部が埋まらない
 どっかで落としたままたぶん泡吹いてるんだ
 蟹があぶくを口から出すみたいに
 自分で食っちまった手足をなくして
 おまえの耳にいつか
 誰かに体を踏まれひしゃげたそのときの音が
 確かに聞こえるはずだ
 
 







戻る   Point(4)