おまえの耳にいつか聞こえるはずだ/カンチェルスキス
クソを飲める水に変える
散った桜の下で何もできやしない
水たまりに散らばって黒ずんだ花びらが
街を右往左往してる人間たちに見える
いくら生きても薄っぺらなままだ
覚悟はできたか
小高い丘の公園
錆びて動かないシーソーが30度で傾いたまま
鎖が一本外れたブランコにのろうとして
ちょうどいいから首に巻きつけて
外れた鎖で首を吊った
もう二度と体重計にのれないのはいいことだ
何をしゃべってもなくした後頭部が埋まらない
どっかで落としたままたぶん泡吹いてるんだ
蟹があぶくを口から出すみたいに
自分で食っちまった手足をなくして
おまえの耳にいつか
誰かに体を踏まれひしゃげたそのときの音が
確かに聞こえるはずだ
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