切に願う/ソラノツバキ
 
チェンソーはF1レーサーになりたがって
地面に体当たりをする
鶏は世界の歌い手を目指しながら
卵を産んでばかりいる
勉強ばかりの学生は真夜中にこっそり
一篇の詩を夢に浮かべる

それはとろりとカフェインに溶け出し
やがて時と共に鼓動の津波となって
学生はいつしか戦士となる
ノートという戦場を駆け巡り
ペンという槍でテキストを打ち砕く

戦いを終えた学生は
垂れ流しの詩を辿って布団に入ってしまうから
真夜中にこっそり
一篇の詩を夢に浮かべるだけ
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