隠れん坊/たもつ
 
 
 
小さな恒星が
子豚の側で燃え尽きた
最後は寒天状の塊になり
それもキノコのように溶けて
地面に吸い込まれた
そんな様子をぼくは
娘と隠れん坊遊びをしている最中に
まだ仏様の入っていない
仏壇の隙間から覗いていた
今度生まれ変わるなら
豚肉がいい
豚は嫌だ
生きながら死ぬのは嫌だ
あの子豚もいつかは育って
屠殺されてしまう
豚肉ならもう死んで意識もないから
生きる苦しみも死ぬ苦しみもないし
人や他の動物の体内で
消化酵素に分解されても
何も感じる必要などないだろう
そんなことを考えているうちに
何故か勃起していた
いつまでたっても
娘はぼくを見つけにこようとしない
もしかしたら遊びのルールを
忘れてしまったのかもしれない
 
 
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