かいだん/……とある蛙
 
命前に何かを食したことが想像される。

(ところでこれは)

人体ではあるまい。[エイリアン]か、それとも新種の生物か、現在の生物の[亜種]か。やはり、人類か。
この様な物が住宅街の奥深く、しかも交差点の中央に遺棄されている。およそ何の脈絡もなく空から落下でもしたかのごとくうち捨てられている。しかし、何の損傷もない死体(遺体?)であり、落下した物ではない。引き摺った後もなく誰にも見られること無く、その場にいる。

空には黒い月。彼者誰時、地上に霧がかかり、その中に浮遊する物体、死体、遺体。尋ねるまでもなく土蜘蛛。まつろわぬ民の末裔。そのまま遺棄され、誰もが無関心。

かつて騙し討ちしたまつろわぬ民の末裔、朝日ととも砂となり風に吹かれて消えていった。

戻る   Point(5)