かいだん/……とある蛙
街灯の先にある交差点、ボーッと浮かび上がる黒い物体 誰も顧みることの無い深夜 行き交う車も無い漆黒の深夜、黒い月
それは奇妙な物体、人体様のものだが、部位それぞれが異なる。体毛はうっすらと生えているが腕が無い。腕の代わりに∧前脚様の物∨、左右二本ずつ胴体の中央から。肌表面の色は∧褐色∨、体毛は∧黄金色∨、頭頂部に頭髪はなく、円形の頭頂部からすだれのように細い毛髪が垂れている。頭部は胴体からほぼ直角に何かを仰ぎ見、眼球に瞳は無く。∧瞼の中の眼球∨瞳孔が収縮している。鼻梁はなく∧二つの鼻孔∨があるだけで、そこからは異様な臭気がたちこめている。口に牙はないがべっとりと血痕がへばりついており、絶命前
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