太陽と月の話/三奈
この命に何を求めるの?
光なんて望まないで
空っぽになった 言葉の引き出し
錆びたシャベルで庭を掘った
探していたのは君へのプレゼント
いつしか足の踏み場はなくなって
真っ逆さまに落ちた暗い穴
「どうしよう、帰れないや」
そこで出会った旅行中のもぐらに
君への贈り物を託したよ
温かい言葉が詰まった 橙色の綺麗な小石
世界中の誰よりも 君に似合うと思うんだ
この命に何を求めるの?
光なんて望まないで
太陽より明るいものはないのだから
だけどもし君が疲れて 穏やかな闇を望む時は
僕の名前を呼んでほしい
それまでに逃げてしまった言葉達を
呼びもどしておくからさ
次のプレゼントは決まっているんだ
光り輝く 琥珀色の小石
シャベルを片手に探しにいくよ
逃げ出した言葉達が詰まったその小石
君は喜んでくれるかな?
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