炎/Oz
襖を通して
炎の揺らめきが
人々の影を写す
僕は布団にくるまり
隣で行われている
饗宴から
身を隠す
眠りの中
無数の影が
僕を
包み
引き裂こうとする
影達は
痛々しい悲鳴を吐き
まるで
僕のせいであるように
苦しみを説く
僕の肩を
一人の少女が叩く
少女は
影から生まれたもの
僕はそれを知っている
少女は微笑んで
大丈夫よ、
心配しなくても
全部わかっていたことだから
そう言った
一際の
大きな声で
僕は目を覚ます
人々は
より激しく舞い
より炎はその姿を
広げている
影は隅で
僕を睨んでいる
そして
襖を開けることとなる
世界は炎に包まれている
それでも
もう待たせる訳にはいかないんだ
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