話はそれからだ!/真島正人
 

へへへ

笑った学生時代
僕は
高槻の山奥に沈んでいた
この身を横たえて
青春を担保に入れて
脳みそを回復させていた
そんな僕は今
皮膚呼吸の最中
体中をもう一度
取り戻して
愛の矢でも射なくちゃ

僕は何も出来ない小者
矮小化された
狭間の世代
緻密からも
高度からも
戦略的ポップ性からも
遠く隔てられ
まるで雪山の
遭難者だ
暑苦しい上着の中に滑り込んだ粉雪を
大切にして捨てられない
小心者のディレンマを抱えた
憂鬱なとび職のようなものだ

僕よ
今夜
飲みたまえ
そして体中の波を
世界と対応させろ
話はそれからだ

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