夏の楽譜?/まどろむ海月
 
ってはこない
 もう…





ねえ
星影の湿ったところから
薄明は抜け出したよ
風に腰掛けていた夜明けは
川上に揺れる微笑を流している
大気の重力から解き放たれて



心を支えつづけた友の
顔さえ見ずに歳月は過ぎ
生死の境のあいまいな関係に
朝は久しくまどろんだまま
そびえ立つ波のすべてを
受けとめている






                     





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