一夏の崩壊/
光井 新
不確かな全てを確かなものにしていく
ひまわり柄のワンピースを見ていた
あなたに、
わたしの中でずっと壊したかった
砂時計が初めて音を立てる
ギターの弦をやさしく弾かれた瞬間、
見失った身体は
探していた片腕も溶けていたのだと気がつく
前髪を切る女のハサミだけが
ゆっくりと沈む湯船
なまあたたかい湿り気に
よごれてしまった肌の
まるいかなしみを捨てる
鏡の中でわらう
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