雨は水平に/非在の虹
 
雨は水平に降ることができる
   そしてふたたび女たちのふとももをぬらす
   
     (水をたたえた場所が沈黙する時が来た)
     (水の波紋もなく)

水平に降る雨の中で
静かな時間の中で
雨粒に濡れながら湖岸にたたずむ
静かな水の面が灰色の空を映す

ここで 手を離した者はふたたび手をつなぐだろう

ここで 死んだものはふたたび立ち上がるだろう

     (生きていたものは 土に)

雨は水平に降ることができる
   そしてふたたび女たちのふとももをぬらす
   
     (水の波紋もなく)  
     (あり得ぬこと は 本当は ない)

雨粒があなたの頬を水平に横切るとき
ふたたびあなたは愛すだろう

雨粒があなたの瞳に飛び込むとき
瞳のおもてに波紋がひろがり
あなたの 頬に 
一滴の涙が流れるだろう。
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