ある真夏日の午前/朧月
 
自分だけが悲しいとおもう
自分が一番かわいそうとおもう
サクサクとかじるクッキー
いそいで補給しなければならないとおもう

だれかのこぶしを受ける覚悟を
ギリギリのところでする

同情ではない といいきかせる
同調すればいいのか悩む

明日なんて考えられない午前9時
昼間の太陽をおもって気が遠くなる

正義とは
というような考えが重い
多数という規律は信号機のよう

複数枚 一度にコピー
疲れ気味の挨拶の笑顔
利害がからんで腰も折れ曲がる

アイスコーヒーの氷
とけて薄くなり悲しむ気持ち
電話がかきけしてしまうオフィスの日常

真夏日の空中
機械から送られてくる冷気の中で
なにが正当なのかを
ひたすら曖昧にして私の時間は進む


戻る   Point(2)