あいについて/草野春心
 
  現実のなかのさまざまのもののけ
  すべすべした
  あるいはごつごつした
  ひとの頬のぬくみ
  ゴミ山



  雨あめ降れ降れもっとふれよと
  だいだい色の子どもたちはさけび
  水たまりはすこし
  笑っているかのようだ
  蝉の抜け殻



  男の子と女の子が何かの拍子に
  くっついてもつれてしがみついて
  やがて命が生まれること
  それが愛
  まるで愛
  やがて愛
  しかも愛
  サバの味噌煮



  草原の緑
  そのひとつひとつに
  きれいなしずくがしたたっているのを
  きみの目で思ってみればいい
  それぐらい
  愛はすばらしい


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