そうして夏は行ってしまった、翼竜の化石のように/ホロウ・シカエルボク
 



夏の踊り子たちが、フロントラインで
そろそろお終いみたいな
けだるさをステップし始めた
ウェイターは素知らぬ顔、だけど少し冷汗をにじませて
「お帰りはあちら」と色褪せたドアをきれいに伸びた手のひらの先で示す
ハイボールのせいでサッチモみたいなげっぷを漏らしながら
俺はその誘いに乗るべきかどうか考える
明らかにやつはそれを俺に見せたくないのさ
いつも夏は勝手に行ってしまって、みんな
恐竜の化石を前にしたときみたいに
汗ばかりかいていた釈然としない季節のことに思いを巡らせるのだ
だけどねえ、サマーゴーン、サマーゴーン
陽炎をハーフコートのよう
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