夏の終わり/うずら豆
 
ジジジ ジジジ
地面にひっくり返って
のたうちまわる蝉の声

もう十分生きたのだろう

鳥に食べられることなく
人間に捕まることもなく

いのちの歌を響かせたのだろう

それでもまた飛びたいか
惨めな姿を晒しても

生きたいか?
逝きたいか?

いのちをくれた太陽は
今その体を焼いている

燃え尽きるまで羽ばたけ
地面を叩き付けようとも

それが生きるということ
それがいのちということ

蝉は知っていたんだ

ジジジ ジジジ

ジジジ ジジジ


戻る   Point(2)