春分の日の夢に/番田 
 

流れていく ぼんやりとそんな人形を見ている
おとうさんの形や
おかあさんの形をしている
春分の日に何となく手に入れようとしている


バービー人形の中の銀紙を
腰を下ろして ラムネ色に
湖の袋のホームランバーを手にした


ラムネ色の思いをめぐらす 中で 取り留めのない 
ビールの一本を


きらめきのシャンパンを歩きまわりながら コーラでも飲んでおけば良かったと 
片手にしている
プールサイドの音に耳をすまそうとする


銀河鉄道スリーナインは 今頃 夜空に 
交差点を手にして 信号を パジャマに着替えている
トラックを無視して 桃色が
駆け抜けていく 枕は ほんのりとしていると


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