「イエス」と「ノー」と「たぶん」/
都志雄
泣きながら便所駆け来る男子いて一枚へだてその嗚咽聞く
歳だけは取りたくないが口癖の老婆の霊が座る終電
急死した男の棺運ばれるテニスコートの脇の葬儀所
河口まで入道雲を追いかけた「イエス」と「ノ―」と「たぶん」抱えて
鹿島灘と霞ヶ浦がつながってたころのお話でしょそれは
独り寝の輪舞(ロンド)の夢に堕ちた蝉の羽音はかなし夏の行方に
戻る
編
削
Point
(4)