雪の日/Oz
 
にはもちろん
至る所に鍵が掛かっていて
中には入れない
窓越しに下駄箱や
教室を覗きこむと
何かが現れそうな気がした
きっと中は
暖かいのだろう
いや、
ストーブはついていないよ
きっと寒いよ

「今日は異常気象なんだってさ。
不思議なくらいの異常気象なんだって。
きっと何かが起こるんだよ。
いや、もう起こっているのかも。」

空の鉢植えに蝋燭を立てて
火を付けた
淡い色合いが
白銀の世界に広がった
花火を取り出して
火をつける
サーッと
火花が飛び
雪に消えていく
雪は溶ける

アハハハハ
キャハハハハ
フフフッ
ヘヘッ

その世界には僕らだけがいた
僕らは
僕らなりの世界を生きていた
手を取り合い
寄り添って
まだ見ぬ何かに
挑み続けていた

花火が無くなると
急に
体が冷えた
ウチが恋しくなり
家に帰ることにした
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