ジュリエットには甘いもの 中篇/(罧原堤)
とか、バカが、考えて、お前らしさなくしてまでしゃかりきになって。そんなんなら、俺は鶴さ。自分らしくなくていいなら、ウスバカゲロウだってなんだって、大こうもり。
だがお前は、わかっててやってるのか? ほんとに俺が鶴に見えるのか?
物語よ、俺にはあなたがわからない。まるで釈迦の手のひらで踊る孫悟空の心境だ。だが俺は忘れない、ウスバカゲロウとして迎えたにどのあの冬を。にどと戻れないあの日を。はかなげだった、短い生涯だった、だが俺はきみの中で永遠に生きれる。きみの中で。よどみない光の中で。
だが、ウスバカゲロウだってことばらすんじゃねえぞ? 鶴にしてみせろ。鶴だと言い張れ、じゃなきゃ俺はお前にすがらなかった。
ほんとのところさ、どうなんだ? あてにしてていいのか? お前、ほんとにいるのか? いねえんじゃねえか、お前、どこにもいねえんじゃねえか?
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