私 達/佐々木妖精
 
的で一回り背が低くくしかし遠い場所にいて
手を伸ばし指先でようやく殴り
誰も痛がらないその殴り方を私達は撫でると名付けた
指先で撫でる≠きみを殴る時
同じ時空に異なる点が産まれた
私はきみへ近い極限の値点に置いてもらうため産まねばならないと思っている

頭痛薬とセット処方の胃薬について考える
これは頭痛薬+胃薬=無痛ということだ
きみ+僕=私達
私達―きみ=俺
私達―僕=あたし
俺+僕=私
算数の中にしかない関係を私達は可能性と名付けた
私には大は小を兼ねるのが分かる
だが中を兼ねるかどうか分からない
大は大以下を兼ねると明示しなったという事これは そう考えられる
僕はきみを兼ねる事が出来ないかもしれないだから
僕はきみの隣で せめてきみと(水)を飲みたい
俺色の水を きみ色の容器を眺めながら飲みたい
きみと私をかけた時あるいはその上で割った時どうなるか
その可能性を僕が口にすることは  だろう
(私はマグカップの内側が何色なのか知りたい)

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