私 達/佐々木妖精
無痛でいられた頃
ただ手触りの良い毛布に包まっていた頃
こんな風になるとは予想もしていなかった
せめて(きみと水)を飲みたいとマグカップをくしゃくしゃ握りしめる
皺くちゃの破片が幾重にも折り重なり光を閉じ込める
色を決めるのが光だというのなら
俺色に染めてしまいたい
みんな俺色に染まればいいんだ(思うのだけは自由だって学校で習った)
拳を解くと囚われた光が燦々にこぼれ
きみと水がどのように作用するか予想し頭痛薬を仕込む
楕円型の錠剤が胃壁を直撃し胃薬を恐る恐る落とす
着水音がペタペタとくたびれた靴のように馴染み
上目線でゲンコツ落としたくなるきみは平均的で
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