読む夏の君を/
番田
疲れた風の日の
私は 眠りに落ちていく 言葉も
黒い 微かな 中身を
なくして
誰だろう その色を 遠い
私は見ている
過去の黄色い 浜辺に 私がいる
遠くには 山々が
木陰が 少年も見える
ぞうきんを近くにして
涼しかった 声を
絞らされながら
今は 本を出して 走る
もう 作品など 読んでいるのだろう
あまり 知られていないから
人などいないものだから
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