真夜中の箱の中/ホロウ・シカエルボク
だと感じられるラインが絶対に存在する、それはニュートラルな位置で眺めていなければけっして見つけられないものだぜ、判るね、判るね、判るね?本当の意味でストイックとは、息切れしない速度を手に入れるということでもあるのさ、それが速いとか遅いとかいうことではなくてね、速度が一定である必要はないということ…オフロードみたいなものさ、同じ速度で飛ばし続けることに美学を感じるようなやつらは…所詮整地された場所でしかエンジンを吹かすことを考えられないというわけだ、さまざまな物音を気にし過ぎるとき、おれは耳をふさぐよりはそれらの音に何の意味も持たせない方法を考えてみる、すると、そうしているうちにおれは真夜中の、しんとしたノイズの中にどっぷりと浸かっているのさ…もちろんそれはただ、いくつかの時間がゆっくりと流れて行った、だけのことなのかもしれないけれどね。
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