夏の唄/
れもん
日暮の 声遠ざかる あをの中
幼き日の記憶は、夏があざやかだ。
眩しさに瞳は瞬きを繰り返し、
気力と共に確実に何かを奪われていった。
渇いた空気の中で、
いつも何かを求めていた。
それが何かも判らずに。
今となっては、当時渇望したものを得、
当時持っていたものを熱望している。
人は失われたものばかり、心に映してしまうものだから。
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