造船家 ?レンブラント画より?/非在の虹
と云う事が出来る。
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仕事を終えた造船家は満足げに机の下のもぐり込む。
これから不らちな家畜と眠るためだ。
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或る日、家人が一枚の小さな紙片を持って来る。
それは何ごとか「伝言」であるという事だ。
彼はそれを運ぶ船を設計するのだ。
前述のようにこの時代の船の役割を考えると画期的な事で
造船家にとってこれほどの栄誉はないだろう。
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しかしなぜだろう。造船家は緩慢な動作で夕日の差し込む窓を閉じ
机の下で不らちな家畜を抱きしめたまま永遠に動かない。
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