ヒメジオン/瀬崎 虎彦
 
この肉体のさなか
誠実と不誠実が
ヒメジオンを踏みつけて
長く伸びる線路の
枕木を踏んでいく

くるぶしから流れる血を
青すぎる空にかざす
鉄とヘモグロビン
緑の上を風が渡り
枕木を踏んでいく

セミの声を聴きながら
夏のカーテンをはらう
滴る汗の味を
懐かしいスープの味を
思いながら枕木を踏んでいく


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