いい女とは/はだいろ
 

テクニックではない。
たぶん、そうじゃない。
いい女は、いい匂いがする。
香水の匂いじゃない。
シャンプーの匂いじゃない。
そうじゃない。
その女の匂い。


散らばった星々のわかれめのなかで、
今夜、
ぼくのこころに反射する光。
その一部。
いのちといのち。
肌と肌。
おちんちんとおまんこ。
そういうものだ。
生きているっていうことは、匂いなんだ。


ずっとこころが重い週末だった。
明日からの仕事を考えると、
ぜつぼうてきにもなってしまった。
でも、
いま、
すこし、ぼくのこころは軽くなった。
ありがとう、女よ。
きみは、いい匂いのする女じゃなかったけれど。


いつか、
いい女と出会う。
人生を彩るものは、いつもその残り香でしかないのかも、
しれない。




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