ぼくの役目/吉岡ペペロ
 
ぼくが死んでから分かったことだが家族はばらばらだった
じぶんの死よりそっちの方が悲しかったぐらいだ
ぼくはママやおにいちゃんやパパといつもいま一緒だ
時空をこえるというのはこういうことを言うんだろう
この感覚は言葉に似ているんだが言葉、
ぼくの言葉はもうそのままでは届くことはない

ぼくはこの家族をくっつけようと企んでいる
それはうまくゆくように思われた
根拠なんてなかったけれど信じている
ぼくはキャンプで溺れている友達を助けるのに失敗した
友達とふたりで死んでしまった
友達のお葬式にもじぶんのお葬式にもそこに来てくれたひとたちにも関係ない景色にもぼくたちは存在した


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